Rufat Nuriyev 更新

Make とは

Makeのビジュアル自動化シナリオを備えたノートパソコン

Make は、かつて Integromat として知られたクラウド型のビジュアル自動化プラットフォームです。経営者にとっては、注文・在庫・レポートなど、1 つのアクションではなく複数のステップと条件からなるプロセスで、サービス間の手作業でのデータ転送をなくす手段になります。技術的にはモジュールシナリオを組み立てます。Gmail、CRM、webhook からデータが入り、フィルタと分岐を経て Slack、Google Sheets、Notion などへ流れます。以下では、このツールの概要、利用コスト、仕組み、Zapiern8n との違いを説明します。

データルーティングダッシュボードを備えたタブレット

どんなプロジェクトか

Make(2022 年以前は Integromat)は、2012 年にチェコで設立された SaaSno-code/low-code 自動化プラットフォームです。2020 年に Celonis が買収し、2022 年に Make に改名してリブランドしました。現在は Zapier の主要な競合の一つで、1000 以上のアプリ、数百万のシナリオ、複雑なデータルーティングに強みがあります。

Make の考え方は n8n や Zapier に近いですが、用語は独自です。Zapier では「zap」、n8n では「workflow」、Make では シナリオ - モジュールのグラフと呼びます。各モジュールは 1 アクション:行の読み取り、HTTP 送信、JSON 変換、フローの分岐。モジュール間の接続でデータの流れが視覚化され、エディタはフローチャートに似ています。

Make はクラウドのみ - self-host 版はありません。DevOps がないチームには利点、自サーバーでデータを完全管理したい場合には欠点です。

経営者にとって重要な理由

経営者にとって Make は単なる技術ではなく、データが正しい場所に届くまでに複数のステップとチェックを通る必要がある業務から、手作業をなくす手段です:注文 - 在庫確認 - 請求書 - 顧客へのメール - 会計記帳。

例:あるオンラインショップは月間 300 件の注文を処理しています。担当者が手作業で在庫を確認し、請求書を作成し、顧客にメールを送る - 1 件あたり約 10 分、月間で約 50 時間の作業になります。時給 12 ドルとすると月に約 600 ドルの手作業コストです。いくつかの条件と API 呼び出しを含む Make のシナリオなら月額 20〜30 ドルのプランに収まり、初月で元が取れます。

これがビジネスにもたらすもの:

  • 複雑なロジックに開発者が不要 - Router と Iterator が、本来コードで書くはずの条件分岐やループを代替します。
  • 多段階プロセスでのミスが減る - シナリオの各ステップは常に同じ手順で実行され、チェック漏れや人的な見落としがありません。
  • 成長に応じたコストの透明性 - プランは操作数課金で、消費量はダッシュボードで確認でき、月次予算を事前に見積もれます。
  • 条件付きイベントへの素早い反応 - 注文・チケット・リードが手動の仕分けを待たず、即座に適切な分岐へ振り分けられます。

契約前に考えておくべき点もあります:Iterator は配列の要素数だけ操作数を掛け合わせるため、量が多いと想定より早く料金が膨らむ可能性があります。すべてのデータは Make のクラウドを経由するため、規制業種では注意が必要です。また、非常に複雑な業務ロジックは、モジュールを何十個も組み合わせるより、コードで書いたほうが安く済むこともあります。自社に当てはまるかどうかは、下の「Make が向くユーザー」で確認してください。

シナリオの構成

簡単に言えば、シナリオはパイプラインです:一方のサービスからデータが入り、もう一方に完成した結果が出ていきます。その間で何が起きるかは、以下のステップで説明します。

Make のシナリオは次で構成されます:

  • Trigger - 入口:webhook、スケジュール、新着メール、Airtable/Stripe のイベントなど
  • Modules - 処理:フィルタ、ルーター(Router)、イテレータ(Iterator)、アグリゲータ(Aggregator)、HTTP、JSON パーサ
  • Connections - モジュール間の線。bundles - 名前付きフィールドのデータパケットを運ぶ

Make のデータは bundles(フィールドを持つデータパケット。例えば表の 1 行や 1 通のメール)で、n8n の items 配列ではありません。各モジュールは 1 つ以上の bundle を受け取り、処理して次へ渡します。バッチには Iterator - 配列を要素ごとに分け、それぞれ別ブランチで実行します。

式とフィールドマッピングはビジュアル UI で行います。前モジュールのフィールドをクリックして次に挿入。複雑なロジックには組み込み functions(スプレッドシート関数に近い)と JSON モジュールがあり、別コードなしで構造を組み立てられます。

Router は Make の強み:1 つのデータストリームを条件で複数ブランチに分け、trigger を複製しません。Filter は高コスト API の前に不要な bundle を除外 - 操作課金では重要です。

主な機能

連携

1000 以上の既製アプリ:Google Workspace、Slack、Notion、HubSpotShopify、Stripe、Telegram、Airtable、OpenAI、Anthropic など。コネクタがなければ HTTPWebhook で任意の REST APIData Store 以外にも OAuth で多くの SaaS を手動トークンなしで接続できます。

Data Store

Data Store は Make 内蔵の key-value ストレージ。中間状態に便利:カウンタ、ID キャッシュ、イベント dedup、実行間の簡易キュー。軽い stateful ロジックなら外部 DB 不要。

エラー処理

各モジュールに error handlers:無視、遅延リトライ、フォールバック分岐。本番では 1 回の API タイムアウトでチェーン全体が静かに止まるリスクを下げます。

テンプレートとチーム

Templates - コミュニティと Make チームの既製シナリオ。Teams で組織内にシナリオ、認証情報、フォルダを共有。Organizations - SSO と集中課金の enterprise 向け。

AI モジュール

OpenAI、Anthropic、Google Gemini など LLM 用モジュールを追加。典型:入站 webhook - GPT でテキスト分類 - カテゴリで Router - 別スプレッドシートへ書き込みまたは顧客返信。

Make vs Zapier と n8n

観点 Make Zapier n8n
モデル SaaS のみ SaaS のみ Fair-code、self-host
価格 $9/月〜、操作(クレジット) $19.99/月〜、task self-host 無料;cloud ~€20/月〜
複雑な分岐 Router、Iterator、Aggregator Paths(上位プラン) IF、Switch、Merge
コード 組み込み functions 限定的な式 ノード内 JS/Python
データ Make クラウド Zapier クラウド 自サーバー(self-host)
学習コスト 中、ビジュアルルータ 単純 zap は低 高、self-host に DevOps

Zapier - 線形の「A なら B」に素早く着手。Make - 多分岐、JSON、コードなしバッチに強い。n8n - self-host、自ハードウェアでの webhook、データ完全管理向け。

Make が向くユーザー

例:

  • マーケ・セールス ops - フォームリード - Clearbit/HTTP で enrichment - HubSpot - Slack
  • EC - Shopify 注文 - 在庫確認 - 請求 - 顧客メール - 会計 sync
  • コンテンツ - RSS - キーワードフィルタ - SNS と Notion 投稿
  • サポート - Zendesk チケット - LLM 分類 - 適切チームへルーティング
  • DevOps なしの中規模チーム - サーバー管理も専任開発者も不要なビジュアル自動化

向かない例:第三者クラウドにデータを置けない、self-host 必須、操作量が多く予算が厳しい - この場合 VPS の n8n の方が安いことが多い。

始め方

最小手順:

  1. make.com で登録 - 操作上限付き無料枠あり
  2. シナリオ作成:trigger 選択(例 Webhooks - Custom webhook
  3. 処理モジュール - Tools - Set variable または JSON - Parse JSON
  4. アクション - Slack - Create a message または Google Sheets - Add a row
  5. Run once、webhook URL にテスト送信、フィールドマッピング確認
  6. Scheduling 有効化、または realtime trigger 用にシナリオをアクティブのまま

本番:重要モジュールに error handler、有料 API の前に Filter、ダッシュボードで operations 監視。認証情報は退職者の個人アカウントではなく組織に。

ドキュメント:help.make.com。フォーラムとギャラリーのテンプレートでコミュニティも活発。

まとめ

Make はルーティング、バッチ、JSON に強い成熟したクラウドのビジュアル自動化プラットフォームです。シンプルな Zapier と flexible な self-host n8n の中間:線形 zap よりデータフロー制御が多く、自サーバーは不要。

条件・イテレータ・複数 API のチェーンを専任 backend なしで組むなら、構築速度と 1 画面での全体像で Make がよく合います。

経営者にとって重要なのは「Make にどんなモジュールがあるか」ではなく、社内の多段階の手作業処理にどれだけの時間コストがかかっていて、操作数課金のプランが元を取れるかどうかです。条件・ループ・複数サービスを含むシナリオなら答えはほぼ「イエス」で、多くの場合は最初の数週間で元が取れます。

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よくある質問

Make と Integromat は同じ?

はい。Integromat は 2022 年 Celonis 下で Make に改名。機能は同じ:シナリオ、モジュール、操作。旧リンクは make.com へ移行中。記事や講座の Integromat は現在の Make を指します。

Make の料金は?

Free プランで月間操作数に上限 - 試用には十分。有料は $9/月(Core)程度から、操作数と実行頻度でスケール。モジュール 1 つが通常 1 operation;Iterator は要素数で倍増。ビジネス視点では、初期のコストは予測しやすい一方、規模が拡大すると料金も伸びる点に注意が必要です。拡大前にテスト実行し、History で実際の消費量を確認しましょう。

Make を使うのにプログラミングは必要?

ほとんどのシナリオでは不要です:モジュール、trigger、フィールドマッピングの選択はビジュアル UI のクリック操作で完結します。カスタム HTTP ヘッダーや複雑な JSON 構築など高度なケースでは REST API とデータ構造の基礎知識が役立ちますが、専任の開発者は通常必要ありません。Router、Iterator、JSON モジュールでカバーできない範囲のロジックが必要な場合のみ、自前のコードが求められます。

Make は Zapier より何が優れている?

複雑シナリオで Make が強い:Router、Iterator、Aggregator、ビジュアル JSON マッピング、Data Store。Zapier は初心者向けで「1 trigger - 1 action」が速い。上位 Zapier に Paths ありも、Make のビジュアルモデルは非線形フロー向け設計。単純シナリオの価格はステップと操作次第 - バッチは Make、稀な線形 zap は Zapier が有利なことも。

Make を self-host できる?

いいえ。Make は SaaS のみ。データと実行は Make クラウド。self-host と完全制御なら n8n や自前スクリプト。Make は time-to-market と DevOps 不要をローカル保存より優先する場合に選ばれます。

Make に API キーを保存して安全?

認証情報は暗号化され組織またはアカウントに紐づきます。Teams/Organizations、ロールベースアクセス、認証情報付きシナリオの外部共有禁止、アカウント 2FA、webhook では最初の Filter で署名またはシークレット検証。個人データ・金融など敏感データは DPA と保存リージョンを社内ポリシーと照合 - Make は処理者として代行します。

この記事の用語

CRM — Customer Relationship Management — 顧客関係管理

Zapier — SaaS that connects apps with no-code automations — ノーコード自動化でアプリをつなぐSaaS

no-code — building apps with visual tools, little or no programming — ほぼコードなしでビジュアルにアプリを作る方式

n8n — open-source workflow automation platform — オープンソースのワークフロー自動化基盤

low-code — building apps mostly visually, with some custom code — 主にビジュアルで、一部コードを足して作る方式

SaaS — Software as a Service — サービスとしてのソフトウェア

self-host — run software on your own servers — 自前サーバーでソフトを動かすこと

DevOps — Development and Operations — 開発と運用の一体運用

router — routes requests or dialog turns

Airtable — spreadsheet-database hybrid for lightweight apps — 表計算とDBを兼ねる軽量アプリ基盤

REST API — HTTP API that exposes resources via URLs and verbs — URLとHTTPメソッドで資源を公開するAPI

HubSpot — CRM and marketing platform for inbound growth — インバウンド成長向けCRM・マーケ基盤

stateful — keeps session or workflow state between requests — リクエスト間でセッションや処理の状態を保持する

fair-code — source-available license with commercial use limits — ソースは見られるが商用利用に制限があるライセンス

OAuth — Open Authorization — オープン認可

SSO — Single Sign-On — シングルサインオン

LLM — Large Language Model — 大規模言語モデル

GPT — Generative Pre-trained Transformer — 生成系言語モデルの系列

webhooks — HTTP callbacks when events happen — イベント発生時に飛ぶHTTPコールバック群

Zendesk — customer support and helpdesk platform — カスタマーサポート/ヘルプデスク基盤

VPS — Virtual Private Server — 仮想専用サーバー

backend — server-side logic, APIs and data layer — サーバー側ロジック・API・データ層

time-to-market — how fast a product reaches customers — 製品が顧客に届くまでの速さ

2FA — Two-Factor Authentication — 二要素認証

DPA — Data Processing Agreement — データ処理契約

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